Claude Codeは「コーディング専用」じゃない:ビジネス文書の評価・レビューで真価を発揮する理由

AI
  1. はじめに:私が体験した「Claudeチャット版」の致命的な失敗
  2. 重要な発見:Claude Codeなら防げた(ただしCLI版限定)
  3. CLI版とWeb版、どちらを使うべきか?
    1. 結論:ビジネス文書の評価なら「CLI版」一択
  4. なぜWeb版は「ビジネス文書の評価」に向かないのか?
    1. 理由1:GitHubリポジトリが前提
    2. 理由2:クラウドサンドボックスで実行される
    3. 理由3:主にコーディングタスク向けに最適化
    4. 理由4:文書作成・議論には向かない
  5. なぜClaude Code(CLI版)なら失敗を防げたのか?
    1. 理由1:CLAUDE.mdを自動で読み込む
    2. 理由2:プロジェクトファイルを自動で理解しようとする設計
    3. 理由3:「デビルズアドボケート」のような抽象的な指示を具体化できる
  6. 実際の使い方:事業計画書を評価する場合(CLI版)
    1. Step 1: プロジェクト構造を作る
    2. Step 2: CLAUDE.mdを書く
    3. Step 3: Claude Code(CLI版)を起動
    4. Step 4: 評価を依頼
  7. 他のビジネスシーンへの応用
    1. 応用1:技術仕様書のレビュー
    2. 応用2:プレゼン資料の改善提案
    3. 応用3:契約書のチェック
    4. 応用4:市場調査レポートの評価
    5. 応用5:採用面接の評価基準作成
  8. CLI版 vs チャット版 vs Web版:使い分けの決定版
    1. チャット版が向いている場合
    2. CLI版が向いている場合
    3. Web版が向いている場合
  9. まとめ:ビジネス文書の評価なら「CLI版」一択
    1. なぜCLI版が最適なのか?
    2. Web版がビジネス文書に向かない理由(再確認)
    3. 黄金ルール
  10. おわりに

はじめに:私が体験した「Claudeチャット版」の致命的な失敗

ある日、私は重要な事業計画書をClaude(チャット版)で評価してもらおうとしました。

私がやったこと:

  1. プロジェクトに6つのMarkdownファイルを添付(事業計画書、技術仕様書など)
  2. プロジェクトの「カスタム指示」で明確にルールを設定:
    • 「プロジェクトファイルを全て読んでから評価する」
    • 「全て調査して回答しろ」
    • 「裏を取れ」
    • 「ソースのURLを付けろ」
    • 「存在しない情報について言及しない」
  3. 「デビルズアドボケートモードで事業計画書を評価して」と依頼

結果:

  • ❌ プロジェクトファイルを読まなかった
  • ❌ カスタム指示を完全に無視
  • 存在しないサービスを勝手に作り出して「このサービスには重大な欠点があります」と批判
  • ❌ 調査もせず、根拠のない指摘を列挙

私の疑問: 「なぜプロジェクト設定を無視するのか?なぜファイルを読まないのか?」


重要な発見:Claude Codeなら防げた(ただしCLI版限定)

その後、Claudeに「なぜこんなことが起きるのか」を聞いたところ、こう答えました:

「Claude Code(CLI版)を使っていたら、この失敗を防げた可能性が高い」

しかし、ここで重要な注意点があります:

⚠️ Web版のClaude Codeは、ビジネス文書の評価には向いていません。


CLI版とWeb版、どちらを使うべきか?

結論:ビジネス文書の評価なら「CLI版」一択

用途CLI版Web版理由
事業計画書の評価✅ 最適❌ 不向きWeb版はコーディング特化
技術仕様書のレビュー✅ 最適❌ 不向き議論しながら詰める必要がある
市場分析の妥当性チェック✅ 最適❌ 不向き対話的な確認が必要
財務計画の精査✅ 最適❌ 不向き細かい数値の確認が必要
プレゼン資料の改善提案✅ 最適❌ 不向き議論しながら改善したい

なぜWeb版は「ビジネス文書の評価」に向かないのか?

理由1:GitHubリポジトリが前提

Web版の制約:

  • GitHubリポジトリに接続することが前提
  • ビジネス文書をGitHubに上げるのは現実的でない(機密情報の問題)
  • Word、Excel、PowerPointなどは直接扱えない

CLI版の利点:

  • ローカルの任意のディレクトリで動作
  • Markdown、Word、Excel、PowerPointなど、様々な形式を扱える
  • 機密情報をローカルに保ったまま作業可能

理由2:クラウドサンドボックスで実行される

Web版の制約:

  • Anthropicが管理するクラウド環境で実行
  • ビジネス文書をクラウドにアップロードする必要がある
  • セキュリティ・コンプライアンス上の懸念

CLI版の利点:

  • 完全にローカルで実行
  • 機密情報が外部に出ない
  • 企業のセキュリティポリシーに準拠しやすい

理由3:主にコーディングタスク向けに最適化

Web版の設計思想:

  • バグ修正のバックログ処理
  • 定型的なリファクタリング
  • 複数タスクの並列実行

「作業を丸投げして結果だけ確認」する用途

ビジネス文書評価の特性:

  • 対話しながら詰める
  • 細かい確認を繰り返す
  • 議論しながら改善する

Web版の設計思想と合わない


理由4:文書作成・議論には向かない

Web版の制約:

  • 公式ドキュメントでも「CLI版やIDEプラグインを入れ替えるものではなく、補完する位置付け」と明記
  • 長文の文書作成、ビジネス分析、議論しながら詰める作業には不向き

CLI版の利点:

  • 対話的な作業に最適
  • ファイルを直接編集しながら議論できる
  • PDFやWordファイルも作成可能

出典: 安全なクラウド上の「Claude Code」をブラウザから利用できる「Claude Code on the web」が登場


なぜClaude Code(CLI版)なら失敗を防げたのか?

理由1:CLAUDE.mdを自動で読み込む

Claude Code(CLI版)は、プロジェクトルートに置いたCLAUDE.mdファイルを起動時に必ず読み込みます

チャット版の問題:

  • プロジェクトのカスタム指示は「理論上は読まれる」が、実際には優先度が低い
  • 会話の途中で無視される場合がある
  • 抽象的な指示(「デビルズアドボケート」など)は誤解される

Claude Code(CLI版)の解決策:

# CLAUDE.md(プロジェクトルートに配置)

## 評価の必須条件
1. **プロジェクトファイルを全て読んでから回答する**
   - 事業計画書.md
   - 技術仕様書.md
   - 市場分析.md
   - 財務計画.md
   - (以下省略)

2. **全ての指摘にソースURLを付ける**(web_search使用時)
3. **推測の場合は「(推測)」と明記する**
4. **存在しない情報について言及しない**

## 評価の視点
1. 市場分析の妥当性
   - 市場規模の根拠は明確か?
   - 競合分析は十分か?
2. 収益計画の実現可能性
   - 売上予測は現実的か?
   - コスト構造は妥当か?
3. リスク要因の見落とし
   - 想定されるリスクは全て列挙されているか?

このファイルを置いておけば、Claude Code(CLI版)は毎回必ず読み込んで、ルールに従って評価します。

出典: Claude Code メモリ運用の教科書


理由2:プロジェクトファイルを自動で理解しようとする設計

Claude Code(CLI版)は、プロジェクト全体を理解することを前提に設計されています。

チャット版の問題:

  • ファイルが多い(6つ以上)と読まない場合がある
  • 会話の冒頭で「これらのファイルを読んでから回答して」と明示しない限り、読まない

Claude Code(CLI版)の解決策:

  • プロジェクトルートで起動すると、自動的にファイル構造を把握
  • CLAUDE.mdに「これらのファイルを読め」と書いておけば、必ず読む
  • サブディレクトリのCLAUDE.mdも自動で読み込む(Lazy-Load)

理由3:「デビルズアドボケート」のような抽象的な指示を具体化できる

チャット版の問題: 「デビルズアドボケートモードで評価して」という抽象的な指示は、AIにとって曖昧です。

Claude Code(CLI版)の解決策: CLAUDE.mdに、具体的な評価項目を列挙しておけば、誤解の余地がありません。

## 評価の視点(デビルズアドボケート)

### 1. 市場分析の妥当性
- 市場規模は信頼できるソースに基づいているか?
- 競合との差別化は明確か?
- ターゲット顧客は具体的か?
- **指摘する場合は、必ず代替案を提示する**

### 2. 収益計画の実現可能性
- 売上予測は楽観的すぎないか?
- コスト構造は現実的か?
- 利益率は業界平均と比較してどうか?
- **指摘する場合は、具体的な数値の根拠を示す**

### 3. リスク要因の見落とし
- 市場リスクは十分に考慮されているか?
- 技術的リスクは?
- 競合の反応は?
- **指摘する場合は、対策案も提示する**

## 出力形式
### 問題点
- ○○が不足している(根拠:ソースURL)

### 改善案
- ○○すべき(理由:△△)

実際の使い方:事業計画書を評価する場合(CLI版)

Step 1: プロジェクト構造を作る

project-root/
├── CLAUDE.md           ← ルールを定義
├── 事業計画書.md
├── 技術仕様書.md
├── 市場分析.md
├── 財務計画.md
└── その他の資料/

Step 2: CLAUDE.mdを書く

# プロジェクトルール

## 評価の必須条件
1. **プロジェクトファイルを全て読んでから回答する**
   - 事業計画書.md
   - 技術仕様書.md
   - 市場分析.md
   - 財務計画.md

2. **全ての指摘にソースURLを付ける**(web_search使用時)
3. **推測の場合は「(推測)」と明記する**
4. **存在しない情報について言及しない**
5. **指摘する場合は、必ず改善案も提示する**

## 評価の視点
1. 市場分析の妥当性
   - 市場規模の根拠は明確か?
   - 競合分析は十分か?
   - ターゲット顧客は具体的か?

2. 収益計画の実現可能性
   - 売上予測は現実的か?
   - コスト構造は妥当か?
   - 利益率は業界平均と比較してどうか?

3. リスク要因の見落とし
   - 想定されるリスクは全て列挙されているか?
   - 対策は具体的か?

## 出力形式
各視点ごとに以下の形式で評価してください:

### 1. 市場分析の妥当性
#### 問題点
- ○○が不足している(根拠:ソースURL)

#### 改善案
- ○○すべき(理由:△△)

Step 3: Claude Code(CLI版)を起動

# プロジェクトルートで起動
cd /path/to/project-root
claude

# または
code .  # VS Codeで開いてから、Claude Code拡張を使う

Step 4: 評価を依頼

【プロンプト例】
CLAUDE.mdに記載されたルールに従って、
事業計画書を評価してください。

全てのファイルを読んでから評価を開始してください。

結果:

  • ✅ CLAUDE.mdを自動で読み込む
  • ✅ プロジェクトファイルを全て読む
  • ✅ ルールに従って評価
  • ✅ 存在しない情報については言及しない
  • ✅ 改善案も提示

他のビジネスシーンへの応用

応用1:技術仕様書のレビュー

CLAUDE.mdの例:

## 評価の視点
1. 技術選定の妥当性
   - 選定理由は明確か?
   - 他の選択肢との比較は?
   - 最新の技術動向を反映しているか?

2. セキュリティ対策
   - 一般的な脆弱性への対策は?
   - 認証・認可の仕組みは適切か?
   - データ暗号化は考慮されているか?

3. スケーラビリティ
   - 負荷増加時の対応は?
   - ボトルネックになる箇所はないか?

応用2:プレゼン資料の改善提案

CLAUDE.mdの例:

## 評価の視点
1. ストーリーの流れ
   - 論理の流れは自然か?
   - 結論が明確か?
   - 聞き手の疑問に答えているか?

2. スライドのデザイン
   - 1スライド1メッセージか?
   - 文字が多すぎないか?
   - グラフ・図は効果的か?

3. データの根拠
   - 数値の出典は明記されているか?
   - グラフの軸は適切か?

応用3:契約書のチェック

CLAUDE.mdの例:

## 評価の視点
1. 契約条件の妥当性
   - 一方的に不利な条項はないか?
   - 解約条件は明確か?
   - 損害賠償の範囲は適切か?

2. 曖昧な表現のチェック
   - 解釈が分かれる表現はないか?
   - 具体的な数値・期限が明記されているか?

3. リスク要因
   - 想定されるトラブルへの対策は?
   - 紛争解決の方法は明記されているか?

応用4:市場調査レポートの評価

CLAUDE.mdの例:

## 評価の視点
1. データの信頼性
   - 出典は信頼できるか?
   - サンプル数は十分か?
   - 調査時期は適切か?

2. 分析の妥当性
   - 結論は データに基づいているか?
   - 他の解釈の可能性は?
   - バイアスはないか?

3. 提言の実現可能性
   - 提言は具体的か?
   - 実行可能か?
   - コスト・期間は現実的か?

応用5:採用面接の評価基準作成

CLAUDE.mdの例:

## 評価の視点
1. 評価基準の明確性
   - 各項目の評価基準は具体的か?
   - 主観的な評価になっていないか?
   - スコアリングの基準は明確か?

2. 公平性
   - バイアスがかかる項目はないか?
   - 多様性を考慮しているか?
   - 法的な問題はないか?

3. 実効性
   - 短時間で評価可能か?
   - 面接官による差が出にくいか?

CLI版 vs チャット版 vs Web版:使い分けの決定版

チャット版が向いている場合

カジュアルな相談・雑談

  • 「このアイデアどう思う?」
  • 「こんな感じの文章を書いて」
  • ファイルが1〜2個で、ルールも単純

向かない場合

  • プロジェクトファイルが多い(6個以上)
  • 厳密なルールに従ってほしい
  • 「デビルズアドボケート」などの抽象的な指示

CLI版が向いている場合

ビジネス文書の評価・レビュー

  • 事業計画書、技術仕様書、契約書など
  • 厳密なルール(CLAUDE.md)に従ってほしい
  • 対話しながら詰めたい
  • 機密情報を扱う

コードレビュー、デバッグ

  • 細かい確認を繰り返す
  • ローカル環境でのテスト

向かない場合

  • 複数タスクを並行実行したい
  • 環境構築が面倒

Web版が向いている場合

コーディングの丸投げタスク

  • バグ修正のバックログ処理
  • 定型的なリファクタリング
  • 複数タスクの並列実行

向かない場合

  • ビジネス文書の評価・レビュー
  • 機密情報を扱う
  • 対話しながら詰めたい
  • GitHubを使わない

まとめ:ビジネス文書の評価なら「CLI版」一択

なぜCLI版が最適なのか?

  1. CLAUDE.mdを自動で読み込む
    • ルールを毎回守ってくれる
    • 抽象的な指示を具体化できる
  2. プロジェクトファイルを全て読む
    • 6つ以上のファイルでも対応
    • サブディレクトリのCLAUDE.mdも読む
  3. ローカルで完結
    • 機密情報が外部に出ない
    • セキュリティ・コンプライアンスに準拠
  4. 対話的な作業に最適
    • 議論しながら詰められる
    • 細かい確認を繰り返せる
  5. 様々な形式に対応
    • Markdown、Word、Excel、PowerPointなど

Web版がビジネス文書に向かない理由(再確認)

  1. GitHubリポジトリが前提
    • ビジネス文書をGitHubに上げるのは現実的でない
  2. クラウドサンドボックスで実行
    • 機密情報の取り扱いに懸念
  3. コーディングタスク向けに最適化
    • 「丸投げ」用途に特化
    • 対話的な作業には不向き
  4. 文書作成・議論には向かない
    • 公式ドキュメントでも「補完する位置付け」と明記

黄金ルール

ビジネス文書の評価・レビューは、必ずCLI版を使う。

  • 事業計画書、技術仕様書、契約書、プレゼン資料…
  • 厳密なルールに従ってほしい場合
  • 機密情報を扱う場合
  • 対話しながら詰めたい場合

CLI版 + CLAUDE.mdが最強


おわりに

私が体験した「Claudeチャット版の失敗」は、Claude Code(CLI版)+ CLAUDE.mdで完全に防げた可能性が高いです。

なぜなら:

  1. CLAUDE.mdを自動で読み込むから、ルールを守る
  2. プロジェクトファイルを全て読んでから評価するから、見落としがない
  3. 抽象的な指示を具体化できるから、誤解が生まれない
  4. 存在しない情報について言及しないから、ハルシネーションを防げる

重要なのは:

  • Web版は「コーディングの丸投げ」専用
  • ビジネス文書の評価には、CLI版を使う

この使い分けを間違えると、私のような失敗を繰り返すことになります。

ぜひ、あなたのビジネスシーンでも、Claude Code(CLI版)+ CLAUDE.mdを活用してください。


執筆日: 2025年11月9日
最終更新: 2025年11月9日

出典:

コメント

タイトルとURLをコピーしました